EMI除去フィルタの必要性について


電子機器は外部からの電磁波によって不要な電流が誘導され、誤動作や破壊を引き起こす可能性があります。これを防ぐために「EMI除去フィルタ」が導入されます。フィルタは配線を流れる電流のうちノイズ成分だけを抽出・除去する役割を担います。

電磁ノイズ障害の種類

  • 自然ノイズ
    雷や静電気など、電子機器以前から存在するもの
    機器には耐性(イミュニティ)が求められる
  • 人工ノイズ
    電子機器の普及に伴い増加
    発生源と被害機器の距離が近づくことで障害が深刻化 

電子機器はノイズの加害者にも被害者にもなり得るため、
エミッション抑制とイミュニティ確保を定めたノイズ規制が存在します。

欧州のノイズ規制の例
(日本ではイミュニティに関する規制が少ないので、欧州の例で示しています)

ノイズ問題の深刻化

電子機器の高密度化・高性能化により、ノイズの周波数範囲が拡大。低電圧回路の増加で小さなノイズでも影響が出やすくなり、今後さらに深刻化が予想されます。

電子機器の活用拡大とノイズ問題への影響

電子機器の自家中毒「イントラシステムEMC」

外部ノイズがなくても、機器内部の回路同士でノイズ干渉が発生
例:携帯電話のデジタル回路が受信性能を劣化させるケース/内部対策が不可欠

イントラシステムEMCの例

ノイズ対策の基本構造

ノイズ障害は「加害者(ノイズ源)」「被害者(機器)」「伝搬経路」の3要素で成立します。

ノイズ障害の発生原理

ノイズ対策では、伝搬経路を遮断することが基本であり、ノイズの伝導には以下の2種類がある

空間伝導(電磁波)
対策:シールド

導体伝導(配線)
対策:フィルタ

ノイズの対策手段

上記のようにノイズ対策はフィルタとシールドの併用が基本ですが、シールドは大掛かりでコスト増につながるため、EMI除去フィルタを活用することで軽量化とコストダウンを実現できます。

EMI除去フィルタ製品ラインアップ

村田製作所では様々なEMI除去フィルタ(エミフィル)をラインナップしております。

チップフェライトビーズ
BL□シリーズ

  • 高周波ノイズを抑制する基本的なEMI対策部品
  • プリント基板上での実装が容易でデジタル回路や電源ラインのノイズ除去に広く利用

LCローパスフィルタ
NF□シリーズ

  • コンデンサとインダクタを組み合わせたフィルタ
  • 高周波成分を効果的に除去し、通信機器や映像機器の信号品質を維持

コモンモードチョークコイル/コモンモードノイズフィルタ
DL□/PL□/NFG/NFPシリーズ

  • 差動信号ラインや電源ラインに混入するコモンモードノイズを低減
  • USB、HDMI、Ethernetなど高速伝送ラインでのノイズ対策に必須

リードタイプEMI除去フィルタ(エミフィル)
PLT09/10シリーズ

  • 数MHz~数百MHz帯域で高いノイズ除去効果
  • DC電源ラインや映像・音声信号ラインに適用可能/大電流対応モデルもあり

ブロックタイプEMI除去フィルタ (エミフィル)
BNXシリーズ

  • 大電流対応で、広帯域にわたる高減衰特性を持つ
  • FA機器や通信機器の電源ラインに最適
    例:BNX002-11(10A対応、1MHz~1GHzで40dB以上減衰)

音声ライン用ノイズフィルタ
NFZ_Sシリーズ

  • オーディオ機器の音質劣化防止
  • 音質を守りながらノイズ抑制が可能

LCトラップフィルタ
LQZシリーズ

  • 0402サイズのワンチップノッチフィルタ
  • キャリア周波数への妨害対策

現場で得られたノウハウに基づく製品群や設計支援シミュレーションソフト等のトータルサポートにより、各種アプリケーションに応じたノイズ対策ソリューションの要求にお応えする事が可能です。

是非、気になる製品がある方。ノイズ対策でお困りの方は弊社へお問い合わせください!

次回はEMI除去フィルタの働きや効果を測る方法についてご紹介いたします。!是非、ご期待ください!


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EMI除去フィルタの働きや効果を測る方法について

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