【ノイズ対策基礎知識特集 第2回】
ノイズの発生源と効果的な対策

ノイズは電子機器のさまざまな要素から発生しますが、代表的な発生源は 信号・電源・サージ の3つに分類されます。それぞれの発生メカニズムと特徴を理解することで、適切な対策を講じることが可能になります。今回は信号がノイズ源になる場合とそのノイズ対策についてご紹介します。
信号がノイズ源になる場合
信号線には情報を伝えるために電流が流れますが、この電流は周囲に電磁界を作り、周波数が高いほど強い電波を放射しやすくなります。そのため、電子機器が高性能化に伴い、信号線からノイズが発生しやすくなります。
アナログ回路の特徴
アナログ回路は限られた周波数で設計され、電流の流れを管理しているため、比較的ノイズの発生は少ない傾向があります。
しかし、局部発振周波数などの信号が外部に漏れると他の機器に障害を与える可能性があります。そのため、チューナー部分のシールドや配線へのEMI除去フィルタの使用が有効です。

ノイズ発生源として
アナログ回路は使用する周波数が限定されているため、比較的ノイズ発生は少ないです。
しかし、局部発振周波数(例:テレビやラジオのチューナー部で使われる一定周波数)が外部に漏れると、他の機器に障害を与える可能性があります。
ノイズ被害者として
微弱な信号を扱うため、外部から侵入するノイズの影響を受けやすいです。例えば音声増幅回路の初段にノイズが入ると、増幅されてスピーカから大きな雑音が出ます。
[EMCからみたアナログ回路(音声回路、映像回路、RF回路など)の特徴]
ノイズの発生源として
- 内部で使う周波数が決まっていることが多い
(ノイズの周波数が限定され 予測可能) - エネルギーが大きい回路では、厳重なノイズ対策が必要なことがある
- 回路の動作に必要な成分であることが多い
(フィルタで除去できない場合がある)
ノイズの被害者として
- 微弱な信号は、ノイズに対して感度が高く、被害者になりやすい
- 特にノイズの周波数が内部で使う周波数に重なると、顕著な影響を受けることが多い
- 内部で使う周波数以外でも障害を受けることがある
- ノイズが検波されたり変調されることで周波数変換され、内部で使う周波数に重なり、障害を発生することがある
対策には、外部からチューナー部分のシールドや、配線にEMI除去フィルタを使用することで漏れや侵入を防ぐ事が可能です。
デジタル回路の特徴
デジタル回路は信号の高速な0/1遷移により広帯域ノイズを発生しやすい「加害者」となります。一方で微弱ノイズには強いものの静電気放電(ESD)など瞬間的な強いノイズには弱い「被害者」にもなり得ます。

ノイズ発生源として
デジタル信号は「0」と「1」の間の遷移が極めて短時間で行われるため、広帯域の周波数成分を含み、強いノイズを発生しやすいです。高速化するほどこの傾向は顕著になります。
ノイズ被害者として
デジタル信号は振幅が比較的大きく、微弱な誘導ノイズには強いです。しかし、一瞬でも高レベルのノイズが混入するとデータが完全に変わってしまうため、静電気放電(ESD)などのノイズには弱いです。
[EMCからみたデジタル回路(論理回路、インターフェース回路など)の特徴]
ノイズの発生源として
- 信号に高調波と呼ばれる広範囲の周波数成分を含んでおり、ノイズ源になりやすい
- 問題になる周波数の予測が困難
- 高次の高調波は回路の動作に不要な場合がある
(フィルタで除去可能)
ノイズの被害者として
- しきい値以下の妨害であれば影響を受けないので、比較的被害者になりにくい
- 一瞬の妨害であっても演算結果に致命傷を受けることがある
対策には、EMI除去フィルタ、フェライトビーズなどが有効です。


(EMIFIL®)


(バリスタ、TVSダイオード)
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